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やじるし永田町発 わたしの視点 「間接性差別の対象拡大を」
 

 今月14日、改正男女雇用機会均等法が成立した。今回の改正では性別による差別禁止の範囲が拡大され、@男女双方に対する差別の禁止A差別的取り扱いを禁止するステージの明確化・追加B身長・体重の条件など実質的に性差別につながりうる間接差別の禁止―が盛り込まれた。

 このほか妊娠・出産による不利益な取り扱いの禁止や妊娠中および産後1年以内の解雇の無効が明記。さらに、セクハラ対策として管理、雇用上のとるべき措置が義務化され、セクハラや母性保護管理措置についても企業名の公表の対象とされた。

 法改正の審議では、3つに限定された前述の間接差別規定の適用対象が議論の焦点となった。このとき、私も厚生労働委員会の審議で質間に立ち、「男女雇用機会均等政策研究会」で検討されてきた間接差別の7つの事例が、省令で指定される3事項に限定された点について、見直しが行われる可能性について尋ねた。これでは不十分でないかという認識だったからである。

 同委員会では例えば、福利厚生の適用や家族手当の支給にあたってパート労働者の適用を除外していることが間接差別にあたるのか、あるいは、福利厚生の適用や家族手当の支給に世帯主要件が条件となる場合について見直しはあるのか―などを質した。これ以外にも、世論の状況によっては法律が見直され、対象項目が広がる可能性があるのかも聞いた。

 このような私の質問に対して、状況によっては省令での見直しの可能性を示唆する回答が得られた。加えて法案を可決する際の国会の意向を表す付帯決議には、以下の内容の文言が盛り込まれた。

 「間接差別は厚生労働省令で規定するもの以外にも存在しうる」「省令で規定する以外のものでも、司法判断で間接差別法理により違法と判断される可能性があることを広く周知し、厚生労働省令の決定後も、施行5年後の見直しを待たずに、機動的に対象事項の追加、見直しを図る」「そのため、男女差別の実態把握や要因分析のための検討を進める」「雇用均等室においては、省令で規定する以外の間接差別の相談や訴えにも対応するようにつとめ、これまでと同様の必要な措置を講ずること」

 これらは、私が国会審議で主張したことの一つの大きな成果であったと思っている。

(フジサンケイビジネスアイ2006年6月22日付)